バッグプロテーゼ(人工乳腺)による豊胸術
自分の脂肪で安全に・自然にバストアップができます。
海外ではバッグ挿入法による豊胸術はとても盛んで、脂肪吸引とならんで非常に数の多い手術と言われています。一昔前までは、豊胸術と言えばバッグ豊胸術のことでした。
- バッグプロテーゼの歴史
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バッグプロテーゼの歴史は1960年代のシリコンジェルバッグから始まります。(それ以前はシリコンジェルを直接注射して入れたり、オルガノーゲンという正体不明なものを注入したりしていましたが、当然様々な健康被害を引き起こしました。)当時のシリコンジェルバッグは破れやすく、漏れ出たシリコンジェルが肉芽腫を形成するなどの様々な問題を引き起こしました。このため1980年代後半頃より生理食塩水バッグが一旦は主流となりました。生理食塩水なら破れても体には無害であるとの理由です。
この生理食塩水バッグは確かに人体への安全性は高かったものの(バッグの中の生理食塩水にカビなどが発生するという極めて稀な事象の報告はあります)、触り心地が良くない、破れやすいなどの問題点もありました。そのため2000年代頃より、人体への安全性も高く、触り心地も良いバッグということで、改善されたシリコンジェルバッグが再び注目を浴びるようになりました。昔のシリコンジェルバッグとの違いは、シリコンジェルを包み込むバッグそのものが強化され破れにくくなったことで耐久性がアップしたことと、シリコンジェルそのものが寒天状になり流動性がなくなったため、万が一バッグが破れても外に漏れ出にくくなり安全性が高まったことです。現在はこのタイプのバッグプロテーゼがほとんど全てといってよい状況となっています。また、2000年代中頃にはCMC(カルボキシメチルセルロース)バッグなどが感触がとても良いとして使用されていた時代もありましたが、内容物の人体への有害性が懸念され、現在ではまず使用されなくなりました。また、つい最近でも仏企業ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社製のシリコンジェルバッグに破裂の恐れがあることが判明し、仏保健当局はこのプロテーゼを入れている人々に摘出するよう勧告しています。
このように現在主流であるバッグプロテーゼであれば、ある程度の安全性は保障されていると言えますが、その歴史(といっても50年足らずですが)を紐解くと、紆余曲折があったことがわかります。 - バッグプロテーゼの表面
- かつてはバッグプロテーゼの表面はツルツルしたスムースタイプのものしかありませんでしたが、10年位前より表面がザラザラして細かい凹凸の有るテクスチャータイプのものが出てきています。テクスチャードタイプの方が表面積が大きく、リスクの1つであるカプセル拘縮(感触が非常に硬くなる)を起こしにくいとされています。現在豊胸術で使われるバッグはそのほとんどがテクスチャータイプです。